期間工の契約期間は最長2年11ヶ月｜有期雇用の「3年ルール」を分かりやすく解説

2024年12月29日

この記事には広告を含む場合があります。

「期間工が最長2年11ヶ月までしか働けないのはなぜ？」
「2年11ヶ月を満了したら、その後はどうなるの？」

期間工（期間従業員）を募集するメーカーでは、契約期間が「最長2年11ヶ月」となっているところが多いです。

でも、その理由や雇用契約の仕組みについては、よく分からないですよね？

一般的に、雇用契約は「無期」と「有期」の2種類があります。
無期というのは正社員に当たりますが、期間工の場合は「有期雇用」になります。
そのため、契約期間に “限り” があるわけです。

そして、有期雇用契約の期間の上限が「2年11ヶ月」であり、これがいわゆる「3年ルール」と呼ばれる所以です。

というわけで今回は、期間工の契約期間になぜ上限があるのか、その辺りのことを詳しく見ていきましょう。

期間工の契約が最長2年11ヶ月までなのはなぜ？

期間工は「有期労働契約の社員」（つまり期限付き雇用）になるため、正社員のように雇用がずっと続くわけではありません。

まずは、ここを大前提として理解しておきましょう。

期間工の契約は「最長2年11ヶ月」です。
したがって、期間工として勤めている間に正社員へキャリアアップしないかぎり、最終的には2年11ヶ月で満了退職することになります。

でもなぜ、期間工は2年11ヶ月までしか働けないのでしょうか？

その理由は以下のように、法律でそう決まっているからです。

労働基準法の第14条

「労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年を超える期間について締結してはならない」

引用：厚生労働省労働基準法

要するに、期間工のような有期労働契約の場合は「3年以上の契約にしちゃダメですよ」となっているわけです。
（このルールは派遣社員も該当します）

このような法律があるのは、何も期間工のような有期労働者の立場を危うくするためではありません。

むしろ逆で、雇用主に対して「正規雇用」への転換を促すためです。

つまり法律では、雇用主に対して「3年以上継続して雇用したければ、正社員として採用しなさい」と言っているわけです。

したがって、有期労働契約における「3年ルール」には、契約立場上において弱い労働者を守ろうという主旨があります。

しかし会社としては、期間工をどんどん正社員として採用するわけにはいきません。
工場の生産量は時期や景気によって変動するため、それに応じて人員をコントロールする必要があるからです。

そして、人員を臨機応変にコントロールするために採用されているのが、「期間工」や「派遣社員」のような有期雇用労働者になるわけです。

もちろん、会社から「正規で雇いたい」と思われる人には正社員のお誘いがありますが、そうではなければ最長2年11ヶ月で満了退職することになります。

ここまでの説明で、「契約は最長2年11ヶ月まで」ということは理解できたかと思います。

ただし、いきなり2年11ヶ月間の雇用契約を交わすわけではありません。
期間工は「3〜6ヶ月の短期契約を繰り返しながら、最終的に2年11ヶ月まで延長できる」という意味です。

基本的には、短期契約ごとに「満了退職」するか「契約更新」するかの選択肢があります。

数ヶ月ごとに退職する機会があるのはメリットでもあります。
しかし、人員削減で雇い止めの可能性があるのは、仕事を続けたい人にとってはリスクです。

「雇い止め」とは
契約満了のタイミングで、会社都合によって更新を打ち切られること。

ここで、一部の会社を例に「契約の更新スパン」を見てみましょう。