求人情報を見れば、期間工が稼げるというのは何となく分かります。
ただ、それだけでは確信が持てないため、もっとリアルな情報である「実際の給与明細」を見てみたいですよね。
確かに、「稼げる稼げる」と言われると、逆に不安になってくるものです。
そこで今回は、「論よりも証拠」ということで、期間工の給与明細を公開します。
あくまでも一例ではありますが、どれくらい稼げるのかリアルな金額をチェックしてみましょう。
給与の基礎知識
まずは、給与明細をチェックするときの基本的な説明をしますね。
どの会社もそうですが、給与明細は「支給されるお金」と「控除されるお金」に分かれています。
そして、「総支給」から「控除額」を差し引いたお金が手取給料として口座に振り込まれるわけです。
支給額
支給額には、基本給や残業代、深夜手当、交通費などが含まれます。
- 基本給が高いところ
- 残業代が多いところ
- 休日出勤手当が付いているところ
など、メーカーによって支給額が大きく異なるので、下記の給与明細では要チェックです!
控除額
控除額はちょっとややこしいですが、項目ごとに簡単に説明しておきますね。
控除項目 | 解説 |
雇用保険料 | 簡単に言うと失業保険料のことで、会社、給料、年によって金額が変わります。 この保険料を1年間以上払っていれば、退職後に失業手当がもらえます。 |
健康保険料 | 健康保険料は「前年の所得」によって計算されるので、会社による違いはありません。 |
年金保険料 | 国民年金保険料は一定額ですが、厚生年金(会社の年金)は給与によって変わります。 少し高くなりますが、会社が半分負担してくれるので、老後の支給額は高くなります。 |
所得税 | 所得税は「前年の所得」に応じて変わります。 したがって、会社によって税額が変わることはありません。 |
食事手当 | 食堂や寮での食事代が給料から差し引かれます。 なお、社員証などに現金をチャージして支払う場合は、食事代が給料から引かれることはありません。 |
寮費 | メーカーによって寮費、光熱費が有料になっているケースがあります。 なお、無料の会社もあるので、その場合は控除されることはありません。 |
基本的に、保険料や税金などの控除額がメーカーによって大きく変わることはありません。
ですから、「この会社って、給料からこんなに引かれるの?!」といった違いはないので、メーカーごとに比較する必要はありません。どの会社に入っても同じような金額を引かれるはずです。
期間工くらいの稼ぎであれば、毎月「3〜5万円」くらいの金額は給料から差し引かれることになります。
このあたりの基本的なことを押さえつつ、以下の給与明細をチェックしていきましょう。
期間工の給与明細を会社別に公開
前述のとおり、給料から引かれる控除額は会社による差はほとんどなく、個人による違いが大きいです。
なので、メーカーごとに「あそこは高い、あそこは安い」と比較する必要はありません。
【その1:基本給】
最も注目すべきなのは「基本給」です。
やはり、ベースが高いメーカーは、それだけ「稼ぎやすい」と言えます。
【その2:残業代】
次は「残業代」です。
残業代は稼ぎの柱にもなります。かといって、あまりにも残業代が高いと、それだけ労働環境は「きつい」ということにもなります。
そのあたりのバランスをチェックしてほしいと思います。
【その3:休日出勤手当】
さらに「休日出勤手当」にも注目しましょう。
休日出勤も稼ぎたい方には好都合ですが、それだけ休みも減ることになります。なので、ここもバランスの問題です。
正直、そのときの生産状況によって給料は変わります。
ただ、実際の給与明細の数字を載せているので、「期間工ってこれくらい稼げるんだぁ」くらいの参考にはなると思います。
では、メーカーごとに給与明細をチェックしていきましょう!
トヨタ期間工
【例1】
支給 | 控除 | ||
基準賃金 | 207,900円 | 雇用保険料 | 1,264円 |
超過勤務手当 | 39,350円 | 健康保険料 | 6,600円 |
深夜勤務手当 | 10,830円 | 年金保険料 | 18,832円 |
時間帯手当 | 22,770円 | 所得税 | 5,700円 |
食事代 | 9,800円 | ||
総支給額 | 280,850円 | 控除額合計 | 42,196円 |
【手取給料】238,654円 |
【例2】
支給 | 控除 | ||
基準賃金 | 228,900円 | 雇用保険料 | 1,678円 |
超過勤務手当 | 37,060円 | 健康保険料 | 7,800円 |
深夜勤務手当 | 14,740円 | 年金保険料 | 22,716円 |
時間帯手当 | 22,800円 | 所得税 | 8,180円 |
通勤費補助 | 8,690円 | 食事代 | 8,693円 |
総支給額 | 312,190円 | 控除額合計 | 49,067円 |
【手取給料】263,123円 |
【例3】
支給 | 控除 | ||
基準賃金 | 218,400円 | 雇用保険料 | 1,493円 |
超過勤務手当 | 16,460円 | 健康保険料 | 6,600円 |
深夜勤務手当 | 11,040円 | 年金保険料 | 18,832円 |
時間帯手当 | 23,710円 | 所得税 | 7,060円 |
通勤費補助 | 8,580円 | 食事代 | 10,122円 |
総支給額 | 278,190円 | 控除額合計 | 44,107円 |
【手取給料】234,083円 |
トヨタ給与明細の分析
トヨタの手当は非常にバランスが良いです。
基本給も高いですし、残業もほどほどにあります。また、夜勤手当もしっかり支給されるので、毎月28〜31万円くらいは稼げます。
(※期間工おすすめランキング第1位)
スバル期間工
支給 | 控除 | ||
日給 | 184,000円 | 雇用保険料 | 974円 |
時間外手当 | 65,527円 | 健康保険料 | 8,301円 |
時差手当 | 42,039円 | 年金保険料 | 27,273円 |
皆勤手当 | 30,000円 | 所得税 | 7,920円 |
食事手当 | 3,329円 | ||
総支給額 | 324,895円 | 控除額合計 | 44,468円 |
【手取給料】280,427円 |
スバル給与明細の分析
スバルはトヨタに比べて基本給がやや低いです。ただ、残業代がかなり付いているので、毎日1〜2時間の残業をこなしている計算になります。
なので、スバルは「しっかり働いてガッツリ稼ぐ」といった印象があります。
(※最も稼げる期間工で第2位)
日産期間工
支給 | 控除 | ||
基本賃金 | 168,000円 | 雇用保険料 | 1,596円 |
時間外手当 | 18,637円 | 健康保険料 | 8,160円 |
休日出勤手当 | 14,272円 | 年金保険料 | 20,968円 |
交替手当 | 10,400円 | 所得税 | 8,060円 |
深夜手当 | 8,876円 | ||
通勤手当 | 9,150円 | ||
精励慰労金 | 90,000円 | ||
総支給額 | 319,335円 | 控除額合計 | 38,784円 |
【手取給料】280,551円 |
日産給与明細の分析
日産の基本給はスバルと一緒くらいです。ただ、稼働日数が少ないので、この明細においては基本給が低めです。
その代わり、休日出勤手当が付いているので、そこで生産をカバーしたのでしょう。
また、この明細には、通常の給与以外に「慰労金」が含まれています。そのため、基本給のわりに給料が非常に高くなっています。
この点は勘違いしないように注意してください。
(※最も稼げる期間工で第3位)
ホンダ期間工
【例1】
支給 | 控除 | ||
日給 | 212,000円 | 雇用保険料 | 863円 |
交替制手当 | 21,786円 | 健康保険料 | 9,960円 |
深夜業手当 | 5,280円 | 年金保険料 | 27,450円 |
休日出勤手当 | 30,352円 | 所得税 | 7,090円 |
食事補助 | 13,000円 | ||
総支給額 | 282,418円 | 控除額合計 | 45,363円 |
【手取給料】237,055円 |
【例2】
支給 | 控除 | ||
日給 | 228,000円 | 雇用保険料 | 1,085円 |
交替制手当 | 22,566円 | 健康保険料 | 8,632円 |
深夜業手当 | 6,228円 | 年金保険料 | 23,176円 |
残業手当 | 863円 | 所得税 | 7,160円 |
食事補助 | 13,000円 | ||
総支給額 | 271,457円 | 控除額合計 | 40,053円 |
【手取給料】231,404円 |
ホンダ給与明細の分析
ホンダは基本給が10,300円〜と比較的高いので、毎月安定して稼げます。
また、食事手当13,000円が毎月支給されるのも嬉しいですよね。
ただ、ホンダは残業が比較的少ないメーカーでもあります。そのため、総支給で30万円を超えることは希です。
「はじめて期間工で働く」という方には務めやすい環境です。
(※期間工おすすめランキング第5位)
マツダ期間工
支給 | 控除 | ||
本給 | 153,000円 | 雇用保険料 | 1,160円 |
時間外賃金 | 15,413円 | 健康保険料 | 9,353円 |
深夜割増金 | 35,360円 | 年金保険料 | 24,463円 |
特定時間割増金 | 8,387円 | 所得税 | 4,800円 |
皆勤手当 | 20,000円 | ||
総支給額 | 232,160円 | 控除額合計 | 39,776円 |
【手取給料】192,384円 |
マツダ給与明細の分析
マツダは昇給制度があるものの、残念ながら、最初の基本給は8,020円と低めです。そのため、総支給を見ても、他社に比べて劣ります。
ただし、皆勤手当が毎月2万円も支給されますし、深夜手当が他社よりも手厚いです。
また、慰労金や祝い金なども高待遇なので、トータルで考えると、マツダもかなり稼げるメーカーです。
(※総合ランキング第4位)
トヨタ車体期間工
支給 | 控除 | ||
本人給 | 203,000円 | 雇用保険料 | 1,312円 |
時間外労働手当 | 2,570円 | 健康保険料 | 8,792円 |
時差勤務手当 | 32,621円 | 年金保険料 | 23,472円 |
深夜労働手当 | 15,658円 | 所得税 | 5,540円 |
通勤手当 | 8,352円 | 食事代 | 7,411円 |
総支給額 | 262,201円 | 控除額合計 | 46,527円 |
【手取給料】215,674円 |
トヨタ車体給与明細の分析
トヨタ車体においては、正直、可もなく不可もなく。といった感じです。残業が比較的少ないメーカーなので、働きやすい環境ではあると思います。
ただ、給与以外(満了金、祝い金など)の条件が特別良くないので、総支給で見ると、あまりオススメはしていません。
デンソー期間工
支給 | 控除 | ||
基準内賃金支給額 | 196,000円 | 雇用保険料 | 904円 |
時間外勤務手当 | 60,562円 | 健康保険料 | 7,651円 |
深夜作業手当 | 14,544円 | 年金保険料 | 21,960円 |
交替勤務手当 | 30,380円 | 所得税 | 7,300円 |
社宅寮光熱費 | 7,000円 | ||
食事代 | 2,988円 | ||
総支給額 | 301,486円 | 控除額合計 | 47,803円 |
【手取給料】253,683円 |
デンソー給与明細の分析
デンソーの基本給はトヨタと一緒くらいのレベルです。その他の待遇も似ているので、トヨタとデンソーの月給は同じくらいになるはずです。
注目すべきなのは「残業代」です。
この明細によると、毎日1〜2時間の残業をこなしていることになります。なので、デンソーもスバルと同様、「残業でガッツリ稼ぐ」という印象があります。
ただし、満了金と慰労金が非常に高く、合わせると半年で50万円以上の支給になります。
トータルすると結局、トヨタと同じくらい稼ぐことが可能です。
給与明細にある手取りを比較
ここまで、各メーカーの給与明細を紹介し、それぞれの特徴を簡単に説明してきました。
ザッと手取給料を比較してみると、次のとおりになります。
メーカー | 手取給料(例) |
トヨタ | 238,654円 263,123円 234,083円 |
スバル | 280,427円 |
日産 | 280,551円 |
ホンダ | 237,055円 231,404円 |
マツダ | 192,384円 |
トヨタ車体 | 215,674円 |
デンソー | 253,683円 |
実際のところ、そのときの生産状況や個人の控除額によって「手取り」は変わってきます。ですから、ここでは「期間工はこれだけ稼げるんだぁ」くらいに思っておけば大丈夫です。
ただ、「未経験入社の1年目」にして、月収で30万円以上も稼げるのは期間工くらいでしょう。
ちなみに僕が飲食店で働いていたときは、毎日14時間以上、年間休日60日で、手取りが20万円を切るような待遇でした…
それと比べれば、期間工がいかに高待遇か理解できると思います。
給与明細を見ても意味がない?
たとえば、期間工で毎月30万円を稼いだとします。それを12ヶ月続けると、年収360万円になります。
「あれ?期間工って400万円以上稼げるんじゃないの?」
と思いますよね。
そうです!
上記の給与明細の金額は、あくまでも毎月の給料だけです。
実は、期間工には毎月の給料以外に、「満了慰労金」と「入社祝い金」が支給されるのです。
満了慰労金とは?
満了慰労金は期間工がもらえる「ボーナス」のようなもので、3ヶ月あるいは6ヶ月ごとに支給されます。
金額や支給条件はメーカーごとに異なりますが、数十万〜百万円近くものお金が「給料とは別」にもらえるわけです。
入社祝い金とは?
入社祝い金はその言葉のとおり、「入社するともらえるお金」のことです。
これもメーカーによって金額は違いますが、多いところでは30〜60万円以上も支給されます。
期間工が受けられる待遇は、この「満了慰労金」と「入社祝い金」が非常に大きいのです。このお陰で、期間工の年収は一気に100万円以上もアップします!
これが期間工の「醍醐味」といっても過言ではありません。
したがって、応募するメーカーを選ぶときは「基本給はいくら?」と気にすることも大事ですが、それ以上に「満了慰労金」と「入社祝い金」の条件に注目するべきです。
給与明細は参考程度に考えよう
「最終的にいくら稼げるのか」を知るには、基本給・慰労金・祝い金・各種手当をすべて含めて考える必要があります。
そうしないと、どのメーカーが最も稼げるのか見極めるのは難しいです。
しかし、各社の条件を洗いざらい調べて、どれくらい稼げるのかリサーチするのは大変です。
そこで、私が徹底的に調べた「最も稼げるメーカーランキング」を紹介したいと思います。
どのメーカーが一番稼げるかは、働く期間によって変わります。まず、「3〜6ヶ月の短期」で稼げるメーカーはココです!
短期で稼げるメーカーおすすめランキング
- 第1位:トヨタ
- 第2位:日産車体九州
- 第3位:スバル
- 第4位:いすゞ
- 第5位:マツダ
はじめから短期で働くつもりの方は、この5社をオススメします。
このランキングの詳細、求人情報については、次の記事をチェックしてくださいね。
ただ、なかには1年以上の長期で「もっとガッツリ稼ぎたい!」という方もいるはずです。
この場合のランキンは、上記5社とはまた違ってきます。
期間工で最も稼げる総合ランキングは、以下で要チェックです!