「期間工の健康診断って、どういう基準で落とされるんだろう?」
期間工で入社する際にどの会社でも「健康診断」が行われますが、引っかかってしまう基準が気になりますよね。
全体の5%未満ではありますが、健康診断で不採用になるケースがあるのは事実です。
たとえば高血圧や腰痛持ち、色覚異常、うつ病などの症状です。
このような健康状態だと仕事が続かない可能性が高いうえに、作業中のトラブルにつながるリスクがあるからです。
健康診断で落ちるケースは稀ですが、不安要素がある方はこのページで診断基準について詳しく確認しておきましょう。
期間工の入社時に健康診断を行う理由
期間工のライン作業は、体を使う仕事です。
そのため、会社としても内定者の健康状態をチェックしないわけにはいきません。
身体の調子が芳しくないのに無理して作業を続けると、以下のようなトラブルにつながる可能性があるからです。
- 血圧上昇で作業中にぶっ倒れる
- 腰が痛くて作業ができなくなる
- 太りすぎで作業が遅れる
- 色弱で作業の停止ランプに気づかない
- 精神的に限界でバックレる
- うつ病になる
- 塗料や油で肌がかぶれる
その結果、「ラインが止まる」「欠員が出る」という事態になれば、会社としてもリスクになります。
だから、そのリスクを極力減らすために、最初に健康診断を行うわけです。
健康診断のチェック項目
では、健康診断でどのような項目をチェックされるのか具体的に見ていきましょう。
- 身長・体重・腹囲
- 血圧
- 血液検査
- レントゲン
- 心電図
- 握力
- 視力
- 聴力
- 尿検査
- 簡単な動作テスト
- 問診
このとおり、診断項目は一般的なものばかりです。
たとえば、血圧や血糖値が高かったり、感染症にかかっていたりすると、一発アウトになる可能性があります。
それ以外にも、肝臓の数値、心電図の異常、高コレステロール血症、尿タンパクなどで引っかかると、再検査になるケースもあります。
会社も一人ずつ厳密に検査をするわけではないので、結構アバウトなところもあります。
ただ、E判定(要治療)レベルだと不採用になる可能性が高いです。
そこまでヒドくなければ、スルーされるか再検査くらいで済むでしょう。
期間工の健康診断で落ちたのはなぜ?
前項では健康診断のチェック項目を確認しましたが、ここからは「合否を分ける診断基準」をさらに詳しく見ていきましょう。
期間工の健康診断で引っかかりやすい症状は、以下の11項目です。
血圧が高い
血圧は人それぞれ差がありますが、血圧が “病的” に高いのは問題があります。
作業中は血圧が30〜40くらいは自然と上がるため、高血圧の人だと「仕事中にぶっ倒れる」なんて事態も起こりうるからです。
基準となるラインは「140mmHg」あたりです。
これを超えてくると「ちょっと高いね、もう1回測ろうか」と、雲行きが怪しくなるかもしれません。
肥満でBMIが高い
BMIとは、肥満度を表す数値です。
BMIが高くて、見た目も明らかに肥満体型だと作業の遅れやケガが懸念されるため、基準に引っかかる可能性があります。
ただ、いかにもビール腹みたいな人も結構いるんですよね…
ちなみに、BMI値は以下のサイトで簡単に調べられるので、気になる方はチェックしておきましょう。
握力が弱い
中にはボルトやナットを手で仮締めする工程がありますが、握力がないと部品を頻繁に落としてしまう可能性があります。
そのため、握力が男性で20kg以下だと敬遠されがちです。
ちなみに、20〜30代男性における握力の平均は47kgくらいなので、20kg以下というのは相当低いことになります。
ただ、握力の弱い女性でも務まる工程はたくさんあるので、この基準は微妙なところです。
腰痛持ち
ライン作業はずっと立ちっぱなしで、一連の動きをひたすら繰り返します。
工程によっては、姿勢をかがませたり、それなりに重たいものを持ったりすることもあります。
ですから、腰痛持ちはかなり厳しめに判断されるでしょう。
仮に検診をパスできたとしても、腰痛を我慢して働くことになります。
結局、痛みに耐えかねて早期退職するケースも少なくありません。
なので、腰痛持ちの方は慎重に考えましょう。
高コレステロール血症
コレステロールとは体内にある脂肪分のひとつで、この量が増えると生活習慣病や糖尿病、動脈硬化などが疑われます。
そのため、コレステロール値で引っかかるケースも良くあります。
ちなみに、コレステロール値が上がるのは、以下のようなことが原因です。
- 欧米スタイルの食生活(脂肪の多い食事やジャンクフード)
- 運動不足
- 喫煙
- タバコ
コレステロール値が不安な方は、検診前にできるだけ正常値に近づけるよう対策を取ってみましょう。
肝臓の数値が高い
「沈黙の臓器」と言われる肝臓ですが、この数値もチェックされます。
たとえばアルコールの過剰摂取や肥満などによって、肝臓の数値が異常に高くなってしまうことがあります。
あるいは、薬やサプリによって数値が上がるケースもあります。
そこまで精密な検査はしませんが、心当たりがある場合は直前だけでも食生活や飲酒量を調整してみましょう。
心電図で不整脈がある
心電図の結果から大きな病気が見つかるケースもあるため、不整脈があると再検査になる可能性が高いです。
ただ、もしWPW症候群のような先天的な不整脈があっても、発作がなく日常生活や仕事に何の支障もない方もいます。
その場合、問診で「問題ない」と判断されれば、普通に働くことができます。
色覚異常
色覚テストで色弱・色覚異常を指摘されるケースもあります。
色覚異常とは、普通の人が見える色が違って見えてしまう症状のことで、たとえば「信号の色が識別できない」といった問題があります。
工場でもライン作業の停止をランプで知らせることがありますが、その色を識別できないと作業をそのまま続けてしまい、場合によっては製品の不良やケガの原因にもなりかねません。
下の画像で数字が問題なく見えれば、大丈夫です。
もし色弱・色覚異常が疑われた場合は、不採用になってしまうこともあるでしょう。
うつ病
面接や問診のときに、うつ病に関して例えば次のように聞かれることがあります。
「精神的なことが原因で過去に問題を起こしたことがないか?」
「今すごく悩んでいることはあるか?」
ただの質問なので、たとえ心が病んでいてもパスはできるはずです。
しかし、期間工は夜勤もありますし、仕事に慣れるまではキツさも感じます。
ですから、うつ傾向の自覚がある方は慎重に考えるようにしてください。
重度のアトピー
重度のアトピーも不安要素になります。
工程にもよりますが、塗料や油で肌がかぶれてしまったり、汗による痒みが我慢できなくなったりする可能性があるからです。
ただ、軽度のアトピーなら大丈夫でしょう。
ちなみに僕もアトピー体質ですが、ほとんど問題なく働けています。
タトゥー・刺青
タトゥーや刺青に関しては一発アウトです。
健康診断では上半身裸になるので、ほぼ確実にバレます。
まれに際どい箇所のタトゥーが見つからないケースもありますが、入社後に発覚すれば解雇される可能性が高いです。
健康診断で引っかかると再検査もしくは強制送還
このように健康診断の合否基準を見ると、かなり厳しめな印象を受けます。
ただ、日常生活や仕事に支障を及ぼすほどでなければ、ほとんど問題になることはありません。
実際のところ、健康診断で落ちる割合は5%以下だそうです。
血液検査の数値が少し悪くても、再検査でクリアすることも多々あります。
ですから、普通に生活できる方なら健康診断はクリアできるでしょう。
健康診断で落ちた場合の会社の対応
なお、健康診断で落とされてしまった場合でも、入社手続きや健康診断で時間を拘束された分の給料はもらえます。
遠方から赴任した人には、帰りの旅費も現金で支給されます。
悪あがきでもいい!
健康診断で落ちないための対策
ただ、せっかく応募したのに、健康診断で落とされては洒落になりません。
不安な方は念のため、以下のように検診までの生活スタイルを改めてみてはいかがでしょうか?
- 飲酒量をグッと減らす
- 一時的に禁煙する
- 脂っこい食事を控える
- 食事量を減らす
- ジュースや缶コーヒーなどを控える
- 軽い運動をする
- 睡眠をしっかりとる
- 前日の夜以降は何も食べない
少し我慢が必要になるかもしれませんが、ちょっとの心がけで数値が劇的に改善されることもあります。
健康診断は余裕でクリアできるとは断言できないので、不安な場合は意識してみてくださいね。
おわりに
今回は、期間工の健康診断で引っかかってしまう症状について詳しく見てきました。
ふだん自分の身体について細かくチェックする機会はないので、いざ健康診断のときになると「数値が高かったらどうしよう…」と妙に不安を感じるかもしれません。
でも緊張しすぎると、血圧が上がったり、心拍数が増えたりする要因にもなりますから、「検診は合格するものだ」という前提でリラックスして受けてくださいね。
どうしても不安な方は、せめて数日だけでも生活習慣に気をつけてみましょう。
健康診断で落ちたらどうする?!
仮にもし健康診断で落とされても、期間工で働くことは諦めないでください。
合否の基準は会社によって厳しかったり緩かったりするので、他社なら案外すんなり合格するケースもあるからです。
なので、もし期間工の健康診断で落ちた場合は、別の会社への再応募を検討してみましょう。
それでは、あなたが健康診断をクリアし、無事に採用されるよう応援しています!