「期間工はきついって聞くけど、本当?」
期間工は未経験でも高収入を得られる仕事ですが、その反面、【給料が高い=きつい】というイメージから不安を感じている方もいるかと思います。

私自身も、期間工で初めて働くときは正直不安でした。
でも、作業ができるようになるまではきっちりサポートしてもらえるので、作業は2週間ほどで、工場生活には1ヶ月ほどですぐに慣れました。
ただ、「期間工はきつい」と言われる要素は確かにあります。
そこで今回は、期間工がキツイと言われる5つの要因と、慣れるまでの対処法などをお伝えしたいと思います。
ライン行程はこんな雰囲気
工場で働いたことがない方にとっては、そもそもライン作業がどういう雰囲気なのか想像が付かないかもしれませんね。



「百聞は一見にしかず」ということで、実際のライン工程の画像をご覧ください。


自動車の部品は数万個にも及ぶため、このように作業工程も無数にあります。
たとえば、「部品を機械に設置してボダンをポチッと押す」だけの工程や、手作業で部品を組み立てる作業など。
以下の画像は「トリム」と言われる工程で、車体にさまざまな部品や社内パーツを組み付けていく作業です。
トリム工程もライン作業になるので、基本的に同じ作業を繰り返していくイメージです。


「きつい」と聞くと重労働をイメージするかもしれませんが、今では機械化がかなり進んでいるため、実際は軽作業がメインになります。



そもそも期間工が本当にキツければ、製造現場は回らないですよね。


ですから期間工の仕事は、画像のような「単純作業の繰り返し」だと考えておきましょう。
ちなみに、期間工が配属される工程は以下のいずれかです。
工程 | 作業内容 |
---|---|
鋳造 | 溶けた金属を型に流し込み、パーツを成形する |
鍛造 | 金属をプレス機で叩いて強度を上げる |
プレス | 金属をプレスしてパーツを成形する |
機械加工 | 部品を機械加工する |
溶接 | 熱や圧力をかけて部品同士をつなぎ合わせる |
塗装 | 塗装ラインにパーツを供給する |
成形 | 樹脂などを型に入れて成形する |
組立 | 部品、パーツを組み立てる作業 |
トリム | エンジン、内装パーツなど、ボディに組み付けていく |
検査 | 作業が完了した部品、パーツなどの品質チェック |
運搬 | 部品を各工程に運ぶ |
配属部署を指定することはできませんが、技術や責任が問われる工程にいきなり配属されることはないので安心してください。
期間工がきついと言われる5つの理由
ただ、期間工が「きつい」と言われているのも事実です。



実際私も、働き始めた頃は「しんどい」と感じたこともありました。
では、期間工の何がきついのか?
具体的には次の5つの理由が考えられます。
1.慣れないライン作業がきつい
期間工は重労働ではないとはいえ、決まった工程を1日中繰り返す仕事です。
当然ながら身体はそれなりに使うため、足が疲れたり、工程によっては腰などに負担がかかったりすることもあります。
しかし、何でもそうですが、慣れない仕事は疲れるものです。
逆にいえば、慣れればこっちのもので、意識せずとも作業できるようになってくるので、むしろ眠気が襲ってくることもあるくらいです。


作業に慣れるまで2週間くらいはかかりますが、1ヶ月もすれば徐々に余裕が出てくるはずです。
2.夜勤がきつい
期間工のシフトは、たいてい昼勤と夜勤の交替制のところが多いです。
そのため、どうしても生活リズムが不規則になりがちで、昼勤↔夜勤の切り替えが上手くいかずに睡眠不足になることもあります。
しかし、これも慣れの問題です。
慣れれば昼に働いているのとほとんど変わらないですし、むしろ夜は周りが静かなので妙な特別感すらあります。
それに、しっかり夜勤手当が付くので、稼ぎたい方にとってはむしろ好都合ですよね。


ですから、交替シフトに慣れるまでは、睡眠時間を長めに取ったり、寝るタイミングを調整したりすれば大丈夫です。
3.会社の寮生活がきつい
また、入寮する場合は、寮生活がきついという人もいるでしょう。
なぜなら、お風呂や食堂、トイレなどは共同のところが多いため、完全にプライベートな場所ではないからです。
ただ、しつこいようですが、これも慣れの問題です。
「住めば都」という言葉があるように、寮での生活も慣れれば悪くありません。
一人部屋は必ず用意されますし、周りと仲良くなれば非常に楽しい生活にもなります。


職場でも寮でも周りとコミュニケーションを取ることが仕事を続けるコツなので、とくに寮へ入る方は意識してみてくださいね。
4.人間関係がきつい
また、職場での人間関係でキツイと感じるケースもあるでしょう。
これは期間工に限らずどこでも言えることですが、周りとのコミュニケーションが円滑ではないとストレスになり得るからです。
ただ、工場仕事は黙々と作業をこなすだけなので、ある意味、孤独を貫ける環境でもあります。
ですから、人間関係が苦手な方にとっては、打ってつけの仕事と言えるかもしれません。


5.残業や休日出勤がきつい
部品メーカーを含めた自動車の製造は、繁忙期というのがあります。
つまり、新車販売や決算期などです。
この時期は工場も忙しくなるため、1日2〜3時間の残業をすることにったり、場合によっては休日に出勤したりする日が出てくるかもしれません。
ですから、そういうときは、身体のメンテナンスをより丁寧におこなうことが大切です。
ただ、残業や休日出勤があると言っても、もちろん労働基準は守られる範囲です。
それに残業代は数万円にもなるため、むしろメリットにもなるでしょう。


このように、慣れない工場勤務によるキツさは感じることもあるかと思いますが、あくまでも一般的なレベルの話なので過剰に心配しなくて大丈夫です。



慣れれば解消されることが大半なので、とりあえず1ヶ月は調整しながら頑張ってみましょう。
期間工のリアルな体験談



ここでは、僕の経験談を少し紹介させていただきますね。
最初は昼勤夜勤の交替制シフトがきつかった
はじめに「きつい」と感じたのは夜勤です。


というよりも、生活リズムがまるっと反転するのが最初は慣れなくて、週末に睡眠サイクルを調整するのが大変でした。
睡眠の質はメンタルにも影響するため、慣れるまでは気を張っていた覚えがあります。
でも1ヶ月もすれば作業的にも生活的にもだいぶ慣れ、その生活が当たり前のようになってくるはずです。



何より稼いでいる充実感があったので、それをモチベーションにしてがんばっていました。
工場仕事だから身体もそれなりに疲れる
ライン作業は一定の工程を繰り返すため、慣れないうちは普段使わない身体の箇所が筋肉痛になることもありました。
ただ、寝るまえに軽くストレッチをしたり、週末にしっかり休んだりして身体をメンテナンスすれば、疲れも残らないですし、また週明けはリセットされた状態で仕事ができると思います。
人間関係は全然OK
僕の場合、人間関係で困ったことは全くありませんでした。
上司や先輩もいい人ばかりで、どちらかと言うと、気にかけて声をかけてくれる場面が多かったです。
それに、話したい気分じゃないときは、休憩中も食事のときも一人の時間を作れます。
それなりに日が経てば、そばで働いている同僚とも仲が良くなり、時にはグチを言い合ってストレスを解消することだってできます。
きちんとあいさつをして真面目に働いていれば、職場での人間関係に困ることはないと思います。
工場で働いているのは普通の人ばかりですし、嫌な人とは関わらなければいいだけの話です。
期間工をやっていて「きつい」と感じるのは最初の1ヶ月くらいです。
「楽に稼げる」とは言いませんが、大変といってもごく一般的なレベルの話なので過剰な心配はいりません。
何と言っても、期間工で働く目的は「給料」です。
決められた作業をこなしていれば平均以上の収入が得られるわけですから、これが最初の1ヶ月を乗り切るための大きなモチベーションになると思います。


きつい仕事は期間工だけじゃない!



ちなみに僕は、期間工以外にもさまざまな仕事を経験しています。


たとえば、以下のような職種です。
- 飲食店
- 営業
- 物流会社の倉庫
- 引越し業者
- ホテル
- 水商売
- お菓子工場
などです。
正直、どの仕事もかなり大変でした。
飲食店の場合
飲食店の場合は、勤務時間が超ロングで1日14時間くらいです。
にも関わらず、給料は相当低いです。(月23〜25万円くらい・・)
忙しいときは、文字どおり、目が回るほどバタバタ動きっぱなしですし、暇なときでも100%仕込みの時間になります。
引越し業者の場合
引越しの仕事も体力的に相当きついです。
「きつい」というのは引越し業者のような仕事のこと言うのだと思います。
それに比べれば工場の仕事は「楽」というのが、実際に働いた正直な感想です。
ちなみに、引越し業者の給料はヒドいです!(月17〜23万円くらい・・)
営業の場合
営業マンの給料は歩合制になっているケースが多く、成果を出せばそれなりに稼げます。
しかし、あくまでも成果を出せればの話。
90%以上の確率で成果が上げられないのを覚悟で、営業をかけ続けるのです。
あれで僕は一度、メンタルがやられています。
それを考えると、「期間工がきつい」というのも全然耐えられる範ちゅうです。
水商売の場合
水商売は華やかに見えますが、給料は見た目以上に低いです。
確実に平均年収以下!(月25〜27万円くらい)
仕事がものすごく忙しいということはありませんが、何よりも「接客」が大変です。
嫌なお客にも愛想笑いをして常に気を配るので、一日が終わると精神的にどっと疲れます。
いかがでしょうか?
世の中には「キツいけど稼げない仕事」がたくさんありますが、なぜかそんな仕事ばかりしてきました。



そんな僕の経験からいえば、期間工はコスパがめちゃくちゃイイ仕事です!
つまり、大変さのわりに給料が非常に高いという意味です。
期間工が決して楽とは言いませんが、僕が経験してきた「キツくて稼げない仕事」に比べれば天国のような環境に思えます。


もちろん、期間工を経験したことない方にとっては不安を感じるでしょうが、大半の人が1年以上務めるという事実を考えれば、一般的なレベルでも十分にやっていける仕事だということです。
ですから、すぐに稼ぐ必要のある方は、ぜひ期間工にチャンレジしてみてください。
身体やメンタルがきつい時の対処法
とはいっても、期間工の仕事に慣れるまでは「きつい」と感じることもあるかと思います。
そんなときは、次のことを心がけながら生活してみてください。
体のメンテナンスを毎日行う


期間工は身体を絶えず動かす仕事なので、それなりに疲労感はあります。
ですから、以下のよな「身体のメンテナンス」をおすすめします。
- 就業前のラジオ体操
- 軽い有酸素運動
- 入浴後のストレッチ
- マッサージ店に行く
どんな仕事でも、身体が疲れるのは仕方ありません。
大事なのは、その疲れを次の日に持ち越さないこと。
それには身体をしっかりメンテナンスすることを心がけましょう。
睡眠をしっかり取る
睡眠不足はメンタルへの影響がもろに出るので、当然ながら、十分な睡眠も欠かせません。
とくに最初のころは意識的に睡眠時間を長めに取ることをおすすめします。


同僚など職場の人と仲良くなる
気持ちが萎えたときでも、周りとある程度のコミュニケーションが成立していれば、ストレス解消にはかなり効果的です。
休憩中に仲良くなった同僚と会話をすれば、疲れも結構忘れてしまうものです。



逆に、周りとうまく馴染めない人は、精神的なストレスがうまく解消できずに、早々に辞めてしまうケースも少なくありません。
何も友達くらい仲良くなる必要はありませんが、気軽に話せるくらいの関係性は周りと築いておくと良いです。


以上が、期間工を上手に続けるためのポイントになります。
大事なのは、「身体のメンテナンス」と「同僚などと良好な関係を築くこと」です。
これさえ心がけていれば、仕事が多少きつくても契約期間は余裕で勤め上げることができると思います。
どうしてもキツイ場合は辞めればいい
しかしながら、期間工の仕事が性に合わず、本当にキツイと感じる人もいます。
そのような場合は、自分を守ることを最優先に考え、「早期退職」もきちんと考えましょう。
まずは上司に相談しよう
ただ、まずは上司に相談することが先決です。


工場仕事がゆえのキツさは上司も十分に理解しているので、あなたが思っている以上に話を親身に聞いてくれるはずです。



その時の状況によっては、持ち場の変更や部署異動といった方法を提案してくれる場合もあります。
できれば契約満了のタイミングで辞める
また、途中退職すると、その契約における満了慰労金が貰えなくなってしまいます。
ですから、できることなら、契約を更新するかどうかのタイミングで期間工を退職するようにしましょう。


ただ、もちろん「あと数ヶ月も持たない」という状態であれば、やはり上司に相談して然るべき対応を取るようにしてくださいね。
期間工がどうしてもきつい場合は、当然、退職も視野に入れましょう。
ただ、自分をあまりにも限界まで追い込みすぎて、「最終的にバックレる」という事態だけは避けるべきです。
会社からの信用度を失うだけでなく、自己肯定感を大きく損ねる結果になるからです。
期間工生活が少しキツイと感じてきたときは、周りとのコミュニケーションを大切にしつつ、自分の身体の声にも丁寧に向き合うようにしてください。
おわりに
今回は、期間工がキツイと感じる要因と、その対処法をお伝えしてきました。
工場仕事が決して楽とは言いませんが、1ヶ月もすれば生活にも慣れてくるはずです。
それに、期間工よりきつくて稼げない仕事はほかにもたくさんあるので、それと比べれば非常に恵まれた環境だと思います。
ただ、これから応募する段階であれば、作業がわりと楽な「部品メーカー」に期間工として入社することも検討してみましょう。
部品メーカーは軽作業がメインになるため、身体への負担も比較的軽いからです。


あるいは短期と割り切って、3〜6ヶ月でがっつり稼げる会社を選び、初回契約でサクッと辞めてしまうのも一つの選択肢です。


新しい仕事を始めるまえは、頭のなかで妄想だけが膨らむため、どうしても不安になりがちです。
でも、実際に働いてみると「意外と平気じゃん」と感じるでしょうし、多少きつくても上記のやり方で何とでも対処できるでしょう。
ですから、あまり気負いすることなく、とにかく「しっかり稼ぐこと」にフォーカスして応募先を選んでみてくださいね。

